これより植田参考人の所信に対する質疑を行ないます。
まず、各会派を代表する委員が順次十分以内で質疑を行ない。その後、各員が自由に質疑を行うことといたします。 それではまず盛山正仁(もりやま まさひと)君。
自由民主党 盛山正仁(もりやま まさひと)
盛山正仁。
おはようございます。自由民主党の盛山正仁(もりやま まさひと)です。
早速ですが、植田参考人に質問をさせていただきます。先日来、日本銀行総裁の人選に関連して、大きくマスコミに取り上げられております。10日に植田さん公認のお名前が報じられ、さらに、大きく取り上げられるようになりましたが。 参考人はこうした報道についてどのように感じられますでしょうか?
植田参考人。
2月10日の夕刻でしたか?日本銀行総裁人事がメディアで報道された時は大変驚きました。その後、14日に政府による同意人事案の提示を受け、その後。 身の引き締まる思いで過ごしてきております。
盛山正仁。
ええ10日に参考人の名前が報じられた時点では未だ政府から日本銀行総裁への就任の要請を受けておられなかったと政府から説明を受けております。植田参考人はご自身のマスコミへの対応について、まあ、特に10日の時点でございますが、どのようにお考えでしょうか?
植田参考人。
応えていたします2月10日夜にメディアに対して応答致しましたのは報道が流れた後、メディア多数。自宅周辺に集まったため、やむを得ず応じたものでございます。その際、 ええ人事について何も申し上げられないいうふうに明確にお答えし。また、金融政策について見解を問われたところでありましたので、学者としての一般的な見解を手短に披露したところでございます。なお、政府から就任要請を受けたのは2月13日の、夜でございました。
盛山正仁。
で10日の植田参考人の記者との応対のメモを拝見する限り、今参考人がおっしゃったとうり、政府から何も聞いていないとお答えになっておられますが、仮に日銀総裁になった場合に、現在の金融政策をどうするのかと問われ、今お答えになった通り、学識経験者としてのご見解を披露されておられます。 一般の方であれば、何の問題にもならないやりとりですが、これだけ世間が注目している日銀総裁人事ですので、日銀総裁予定者の発言であるかのように報道されました。まあそれ以前に別の方の発言でも、大きく取り上げられていたのですから、総裁になられたらどのように報道されるか? おわかりになられたのではないかと思います。
日本銀行総裁となられれば、日本の金融政策の中心となります。これからは私人である植田参考人ではなく、重要な公人となります。今後、公人として一挙手一投足が注目を浴びることになるわけですが、日本銀行の組織を代表するその総裁としての行動に対する考えご覚悟についてお伺いいたします。
植田参考人。
お答えいたします。 わたくしはこれまで学者として、あるいは日本銀行新議員として、歴代の日本銀行総裁、さらにはあの海外のさまざまな中央銀行の総裁方と直に接する機会を持ってまいりました。その際に中央銀行総裁と言う。 食は重責であり、その言動や行動が世の中に、大きな影響を及ぼすと言うことを間近で感じる機会が多々ありました。今後、葬祭への収入をご承諾いただいた場合には、私の発言や行動が市場、国民生活などに。 大きなインパクトを及ぼし得ることを充分認識し、職責を果たして行きたいと思っております。 まあ、葬祭という職は、日本銀行の役職員約5000人の腸という立場でございます。写真で申し上げましたとおりええ、日本銀行は物価の安定だけでなく、金融システムの安定決済システムの運営、銀行券の流通をはじめ、国民経済にとって必要不可欠な極めて重要な役割を担っております。 副総裁とも力を合わせながら、日本銀行役職員がそれぞれの能力を発揮し、国民経済にしっかりと貢献できるよう組織の先頭に立ってええ、仕事に当たってまいりたいと思っております。
盛山正仁。
金融政策の番人、 という表現が適切かどうかわかりませんが、総裁になられれば、わが国の金融政策の最終の決定者となります。副総裁ほかの方々と協議をなされると思いますが、後ろを振り返っても誰もいないという責任を総裁は今後、その双肩に背負われます。
わが国の金融政策の責任者である日本銀行総裁となるご決意についてご披露していただきたいと思います。
植田参考人。
ええ、あの先ほど申し上げたところでございますけれども、日本銀行の約5000人の役職員をトップとして率いていくと言う格好で職に当たりたいと思いますが、組織のトップのええ心構えと致しましては、 やはり目標をはっきりさせること、それから目標に向かって自らが率先して努力するという姿を見せること。 それから組織の構成員がええ、それぞれが力を発揮できるよう仕組み、工夫をいろいろ講じていき、組織の目標の達成にするということ。そこに全身全霊を傾けていくつもりでございます。
盛山正仁。
日本銀行法第三条に日本銀行の自主性独立性が規定され同法第四条に政府との連携が規定されております。 参考人は日本銀行の独立性と、そして同時に政府との連携をどのように調和させていくおつもりでしょうか?
岸田総理や鈴木金融担当大臣、他との対話連携についてのお考えについてお伺いします。
植田参考人。
議員ご指摘のとうり中央銀行の独立性が必要であるという考え方は、金融政策の歴史的な経験を踏まえて世界的に確立されており、この点は日本銀行にも明快に規定されております。
これは物価の安定を実現するためには、中立的かつ専門的な立場から経済物価情勢の分析を行ない。それに基づいて自主的な判断と責任で政策を運営していることが適切であったのだ、と理解しております。
同時にマクロ経済政策の上にあたっては、政府と中央銀行が充分な一つを図ることも必要であります。この点も日本銀行に規定され、日本銀行法に規定されております。日本銀行総裁はこれまでの定期的に総理と直接お会いする機会をいただいてきたとか、財務大臣ともさまざまな機会で。 意見交換をさせていただきたいきたと理解しております。 総裁の収入をご承認頂けた場合は、私もぜひそうした機会をいただき、しっかりと意思疎通を図ってまいりたいと考えております。
盛山正仁。
ええわたくしは学生の時にマーシャルがケンブリッジ大学でイギリスを繁栄させようと考える諸君は経済学部に歓迎する。また、貧民窟を見てなんとかしたいと考える諸君も経済学部に歓迎するという趣旨の発言をしたと伺い、経済学は素晴らしいなあと思いました。 わたくしは法学部の三類というところにおりましたが、悪友に誘われまして、浜田宏一先生のゼミでマンデルの国際経済学を学びました。まあ、もっともわたくし不勉強でしたので、さっぱり理解することはできませんでした。
ええ?参考人は経済学の第一人者であるわれますので、理論的な思考は誰にも引けを取らないことと存じます。 一方、地方の現状、あるいは中小企業の状況というものについて充分把握しておられますか?ということです。わたくしと比較するのは大変失礼とは存じますが、わたくしは経済企画庁在籍時にマクロのデータを踏まえて物価対策を担当したことがあります。また、その後の国土交通省ほかの勤務時においても。 マクロの数字をもとに政策の検討を行っておりまして、その後、選挙に出て、それまでお話しすることがなかった。地元の中小企業の方々と接するようになって初めてマクロのデータとミクロの現場感覚の違いを肌で感じるようになりました。マクロのデータに基づいて、我が国の金融通貨政策や銀行その他の金融機関への、対応決められることになるのは当然と思いますけれども、同時に地方や中小企業についても踏まえていただく必要があります。我が国は大企業や大都市だけで成り立っているものではありません。中小企業や地方の発展がなければ、わが国の未来はないと考えます。 参考人は総裁に就任されましたら中小企業は地方への視察を含め、どのようにしてマクロ以外のミクロ経済の現状を把握されるおつもりであるかお伺いします。
植田参考人。
お答えいたします。
日本銀行は本店に加えまして、数多くの支店事務所を全国で有しております。
そこで個人企業から大企業に至るまで様々な企業へのミクロヒアリングを実施しております。そして、得られた情報は随時報告されておりますし、支店長会議でも年四回詳しく報告されております。 私自身も審議委員を務めた7年間、自分の考えを整理する機会として支店長会議における支店長方の話を聞くことを大変重視しております。
また、いわゆる短観でございますが、ええ一万社を探求対象としたアンケート調査でございます。これも、大量の中小企業を含んでええ調査をおこなわれ、各地の経済情勢、企業の状況について、きめ細かく把握するよう努力把握するようつとめているものと理解しております。
ええ、経済の現状を的確に評価するため、マクロの経済統計の詳細な分析だけでなく、中小企業や地方経済の視察を含め、ミクロ経済のきめ細かい把握に努めてまいりたいと考えております。
盛山正仁。
支店長会議とうございますことは、わたくしも重々承知しておりますが、まあ是非とも今参考人からお話がありましたように、地方の実情、中小企業の事情というのを肌で感じる為にも足を運んでいただければありがたいなと思います。
次に移ります。2008年9月のリーマンショック2009年9月からのまあ民主党政権、そして2012年12月の第二次安倍政権発足の、後の2013年3月から、現在の黒田総裁による、金融政策がなされてまいりました。 デフレからの脱却行き過ぎた円高の是正株価の回復等の困難な課題に、この10年間よく対応してこられたとわたくしは考えます。新型コロナ昨年のロシアによるウクライナ侵攻、それに伴う原油や小麦等の資源の高騰など、現在我が国は様々な課題に直面しております。
今後、日本銀行は通貨物価についてどのように対応して行くべきとお考えであるかお伺いします。
植田参考人。
お答えいたします
ええ所で申し上げました通り、金融政策は経済物価の現状と先行きの見通しに基づいて運営する必要がございます。 わが国経済は、この中から持ち直してきておりますが、委員ご指摘のとうり、海外の経済物価情勢、ウクライナ情勢、感染症の今後等、我が国経済を巡る不確実性は極めて、大きい状況にございます。物価面では消費者物価の前年比は、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁が進行していることから4%程度となっております。
もっとも、こうした輸入物価の前年比プラス幅は縮小しつつある。政府の経済対策によるエネルギー科学の下げ効果もあって、最初に申し上げました通り、来年の半ばにかけて2%を下回る水準まで、インフレ幅が縮小して行くとみております。
こうした情勢を踏まえますと、現在はしっかりと経済を支え、企業が賃上げをできる環境を整えることが重要であるというふうに考えております。そのため、金融緩和を継続し、賃金の上昇を伴う形での物価安定目標の持続的、安定的な実現をめざしていくことが適当と考えております。
盛山正仁。
参考人はこれまでに幅広いご関係を諸外国のキーパーソンの方々と有しておられると承知しております。
主要国の中央銀行や市場関係者と今後どのように連携対応されるのかお伺いします。
植田参考人。
例えば、リーマンショックやコロナ感染症によるショックの際のように、各国の中央銀行が必要な情報交換を行ないつつ。協力して対応を行ったということが非常に重要であったと考えております。そういう意味で海外中央銀行との連携の重要重要性は非常に高まっていると認識しております。
また、金融政策は、金融市場などを通じて経済全体に働きかけるものでありますから、市場のとのコミュニケーションも大事でございます。私自身、日本銀行の審議委員を務めた時、あるいはその後の内外の大学での研究教育を行っていた時を含めまして。さまざまな国際的な会議の場で学者、実務家と議論を行ってまいりました。このような中で形作ってきました。人脈試験を生かして海外中央銀行との連携、市場関係者とのコミュニケーションを適切に行っていきたいと考えております。
盛山正仁。
経済学では、初期の頃から人口についてもその検討対象になっていると承知しておりますが、昨年2020年に世界人口が80億人に到達し、インドが14億2200万で世界一になりました。中国は2021年が14億1260万のピークで、今後中国の成長がブレーキがかかって行くというふうにも見られているところであります。
日本は2008年に人口のピークを迎え、減少局面に入っており、2020年にはメキシコに抜かれて世界11位となり、今後の急速な少子高齢化と地方の過疎化の進行が見込まれています。2008年から2020年までには約200万人の人口が減少しました、が、2020から2045年までにはその十倍の約2000万人の人口が減少します。また、秋田県では2020年の人口96万人、高齢化率37%。 2045年には人口60万、高齢化率50%予測されており、人口規模の小さな地方部の状況が短期間のうちに、大きく変わってまいります。
戦後の経済成長人口増加が続いた。これまでと状況が異なってきております。このような人口の変化を踏まえた。 これからの、日本の金融通貨の方向性についてお伺いします。
植田参考人。
お答えいたします。ええ、我が国はかなり長い期間、人口減少の局面に入っております。それでも2010年代においては、金融緩和、政府の取り組みもあって、雇用環境は改善し、女性高齢者を中心に労働の参加率が高まっております。このため、人口減少のもとでも労働供給が増加し、経済成長を支えたゆう面がございます。
しかし、先行きを展望しますと女性や高齢者の労働参加率はすでにかなりの高水準となっております。ええ、労働供給の増加ペースは鈍化して行くと見ざるを得ません。このため、今後の成長を続けるためには、生産性を持続的に高めていくことがより重要になってくる。 と思います。こうした観点からは、企業による人的資本に対する投資や生産性を高める投資に期待するところでございます。金融政策面では緩和的な金融環境を維持することに、より良好なマクロ経済環境を実現することで、こうした企業の前向きな投資を後押しして行くことが重要であるというふうに考えております。
盛山正仁。
でまあ、この支店長会議、その他のご報告をよく踏まえていただいて、特にまあ、人口減少が、大きいようなまあ、特に経済がこれからシュリンク、いくような地域において地銀さんでございますとか、その地域の経済活動、こういったものに、対しての目配り、そういったものをぜひお願いしたいと思います。
ええ、次に候補について伺います。ええ、国内だけではなく、海外からも注目を受ける日本銀行の、金融政策でございます。金融政策の狙い、あるいはその背景などについて、広く国民の皆様に理解していただけるような公報が望まれていると思います。
内外の金融関係者だけではなく、広く一般の国民に対してどのように広報を為されるおつもりかお伺いします。
植田参考人。
お答えいたします。ええ、政策の効果を円滑に発揮して行くという観点からは、経済に関する見方、あるいは政策への考え方について言うまでもなく、わかりやすく情報発信を行っていくことが重要でございます。総裁へ就任をご承認頂いた場合、私自身も政策決定会合後の記者会見、あるいは各種の講演などを通じて情報発信をして行くことになるかと思います。 その際には、金融関係者だけでなく、広く国民の皆様にも分かりやすい説明を心がけていきたいと思っております。
盛山正仁。
ぜひその判断の背景どうしてこうなるのか、そういうようなところも含めてご説明いただけるとわかりやすくなるのではないかと思いますので、よろしくお願いしますええ、最後に気候変動についてお伺いします。ええ、global warming気候変動対策はまったなしの課題でございます。そして、一つの国だけで収まるものではなく、世界中がグローバルということで、世界中が一緒になって課題に取り組まなければならないという、大きな課題です。まあ、この気候変動に対しましては、各金融機関もこれまで、だんだんだんだんと関心を対応取り組みを深めてきていただいているところでございます、けれども、この気候変動に対する中央銀行としての取り組みについてお伺いいたします。
植田参考人。
お答えいたします。
ええ。おっしゃいますように。気候変動問題は将来にわたってええ、社会経済に広範な影響を及ぼし得るグローバルな課題となってございます。 日本銀行は物価の安定と、金融システムの安定という使命に沿って、気候変動に関する取り組みを進めているものと理解しております。
具体的には、金融政策、金融システム、調査研究、国際金融等の幅広い分野からなる包括的な取り組みを決定し、その下での各分野の対応を進めていると理解しております。
例えば、金融政策面では気候変動対応オペを導入致しまして、民間、金融機関による気候変動対応に関する気候変動対応に資する投融資をバックファイナンスしたりしております。気候変動が経済にもたらす影響は不確実性が極めて高く、時間の経過に伴って、大きく変化する可能性がございます。
このため、各種の政策についても国際的な議論に参画しつつ、検討を重ね対応して行くことが重要と考えてございます。
盛山正仁。
待ったなしの課題となっております。気候変動対策についても充分これからお取り組みいただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。