令和5年(2023年)12月21日に内閣府より、政府経済見通しが公表されました。
前回の年央試算の年末版です。
内容は、以下の通り
前回(7月)の年央試算に比べて、成長率が増加しています。
23年度の名目成長率は、前回の4.4%から、5.5%に増加し、実質成長率が1.3%から1.6%へ増加しています。
24年度の名目成長率は、前回の2.5%から、3.0%に増加し、実質成長率が1.2%から1.3%へ増加しています。
興味深い数値として、23年度の名目GDPが597兆円と、600兆円に迫る勢いとなっています。
24年度には、615兆円という数値になります。
☆政府経済見通し
数字の中身を見ますと、国民総所得(GNI)は22年の時点で既に600兆円に達しており、23年には633兆円、24年には653兆円に達する見通しです。
円安により日本人の円ベース海外資産の価値が増大していますから、その恩恵でしょう。
多国籍企業などの海外資産が増加していますから、国内への投資資金などが潤沢になる事が予想できます。
24年度の見通しを見ると、消費が3.5%成長、設備投資が4.7%成長と、明るい見通しになっています。
就業者数を見ると、22年度は6728万人、23年度は6749万人、24年度は6759万人と依然として増加が続くようです。
就業者数に関しては、近いうちに完全雇用になる可能性が高いですので、どこかのタイミングで頭打ちになるでしょう。
完全雇用になると、それ以上は労働市場が新たな労働者を供給できなくなりますので、賃金上昇により労働者の奪い合いになることでしょう。
これは良い事です。賃金上昇は消費の増加に繋がり、消費の増加は経済成長に繋がります。
GDPの増加は、税収の増加に反映しますから、税収も期待できます。
GDP成長率が加速しているという事は、税収増加による財政均衡の時期も近づいている事を意味します。
今回の政府経済見通しは、非常に明るい内容であると言えるでしょう。
以上、ご報告まで。